塾長の考え

情報大洪水の時代(その4)

もうだいぶん昔の話。

 

あるお父さんから相談があった。

 

「うちの子、できが悪いんだけど頑張れば医学部に受かりますか?」

 

「可能性が少しでもあるならとにかくお願いします!」

 

 

その生徒は某私立高校の特進科の1年生だった。

 

学力的には偏差値48のその生徒を預かって、

 

「2年計画の医学部受験指導」を開始することになった。

 

 

塾には毎日来ることが条件だった。

 

基礎学力が乏しいその生徒には毎日基礎的な内容の学習が必要だった。

 

来る日も来る日も基礎的な学習の日々が続いた。

 

 

予備校生の場合は490点(900点満点)の生徒を、

 

1年後に某国立大学医学部医学科に合格させたことがあったが、

 

その時の再現をしないといけないくらいの状況だった。

 

 

予備校の場合は月間で130~140時間の指導時間が取れるが、

 

その生徒は通塾する高校生だから多めに見て月間で60~70時間。

 

 

期間は2年間だったので合算的には同程度の指導時間。

 

いい勝負になるかなというところだった。

 

 

高校の3年間を塾で指導して、

 

3年後に国公立の大学もしくは有名私立大学に、

 

進学できなかった例はそれまでに1件あった。

 

(その生徒は医学部医学科目指していて結果的に浪人することに)

 

 

その生徒以外は全員合格。

 

 

3年間まるまる指導できれば、

 

どこの県立の普通科高校であっても、

 

ほとんどの大学に進学できる指導環境、

 

それを当時の時点で実現できていたのだが、

 

3年間をしっかりと通塾する生徒がなかなか出てこない。

 

 

ほとんどの生徒が早くても高校1年生の途中か、

 

高校2年生の段階で入塾してくる。

 

よって、合格させるための難易度が上がる。

 

 

そうかと思えば最初から偏差値が65程度あって、

 

半年の指導だけで某国立大学の難関大学を受験して、

 

いとも簡単に合格する生徒も出てくる。

 

 

いろんな生徒がいていろんなドラマが生まれるのだが、

 

冒頭の生徒にもそれが起きた。

 

(続く)

 

 

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