塾長の考え

塾長の考え(九大受験)8

「あの~、質問があるんですけど…」

 

Cくんが講師に化学の問題を、

質問しようとしているところを目撃した。

通常ならばそのままでいい。

だが、

2月のときにかなりレベルの高い化学、

つまり九州大学クラスの難易度の化学、

それをかなり演習したのに?

 

今は基礎レベルの化学の演習を、

最初から順番に学習し直しているので、

てっきり質問などはないはずだと、

私自身が思い込んでいたので、

「ちょっと、その質問はこちらに!」

「あ、はい」(Cくんの決め文句)

ということになった。

学習室からいったん退出して、

別室での1対1での個別指導となった。

 

「どの問題かな?」

「あ、はい、これです」

「ふ~ん…」

「(1)の問題がわからないので…」

「うんうん」

「(2)もわからなくなってしまい…」

「うんうん」

「その2つがわかれば…」

「うんうん」

「(3)と(4)もわかると思うんですけど」

「ふ~ん」

「…」

「じゃあきちんと問題文を読んでみようか」

「あ、はい」

 

問題文の趣旨を確認しながら読んでいく。

声を出しながら私が読んでいく。

途中途中で大事な点をマーキングしながら、

①何が条件で、

②何がポイントか、

③出題者の意図は何か、

これらを説明した。

 

Cくんの表情を確認しながら進める。

いよいよ準備段階が終わり、

(1)の問題文を読み上げる。

前半部分を読み上げていくときに、

Cくんの様子から判断すると、

集中して私の声を聞いており、

設問の内容が十分に理解できていると、

私の方は感じていた。

 

ところが!

後半部分の問題文を読んでいるときに、

Cくんの集中力がいくらか落ちた瞬間を、

カメラがしっかりととらえたのだ!

いや…カメラではなくて、

私の目がとらえたのだ。

「(はは~ん…、なるほどね)」

じっとそのまま問題文を見ているCくん。

いまだに問題がわからないといった表情だ。

 

ここで間を置いた。

本人の思考力を伸ばさないといけないので、

安易に解説をし始めてはいけない。

じっとCくんの様子を私は見ていた。

Cくんが考えてもわからないという合図、

つまり目線を私の方に向けてきた。

 

私が質問を彼に投げかける。

①「この問題のここは意味がわかる?」

(この部分は明らかに化学の内容)

「あ、はい」

「どういう意味かを説明してみてよ」

「あ、はい」

Cくんの説明は完璧だった。

「OK、よくわかっているね」

「あ、はい(ニッコリ)」

②「この部分の意味はわかる?」

(この部分は化学の内容ではない!)

(国語力が問われている内容だ)

「えっと…」

「…どうなの、わかる?」

「え、これは…こういうことですよね?」

「いや、違うけど…」

「!」

 

この後私が説明したのは国語の内容。

要するに化学の質問を持ってきたが、

指導内容は問題の読み間違えの部分。

こんな理由(国語力不足)で、

問題を解けなくなる生徒が多い。

だから、国語力の鍛錬が必要なのだ。

 

 

(続く)

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