塾長の考え

塾長の考え(集団授業の落とし穴)①

先ほど面談があった。

そこで話したことの一部をここで述べる。

 

まず、

中高一貫校に中学受験を経て進学した場合。

勝負は最初の2年間。

通常の中学校の授業の速度に比べて、

「1.5 倍速」で進むことの厳しさと、

付いていけなかったときに起きる悲劇。

 

これを挽回することは、

一般的な塾ではまず難しい。

 

なぜならば、

一般的な塾の講師の価値観は、

「わかりやすい授業」をすることだから。

 

これはその講師の主観も入っているため、

じつにやっかいである。

「わかりやすい授業をした」

と本人が思っていても生徒が同じように、

思うかどうかは別問題。

 

例えば、

芸人で言えば「ダウンタウン」。

彼らの漫才がおもしろいという人もいれば、

「どこがおもしろいの?」

と反応する人たちもいる。

 

「とんねるず」がおもしろいよね!

そういう人もたくさんいるが、

テレビに以前ほど出る機会が今はない。

 

つまり、

「(そこまで)おもしろくない」

という人が現在は多いからそうなる。

 

今現在はある塾に通っています。

でも成績が上がりません。

 

それはなぜか?

 

いろいろ理由が生徒によってあるのだが、

一番落とし穴にはまっているケースは、

「塾での授業がそのときは理解できる

というものである。

 

それなのに成績が上がらない。

 

「いったい何で?」

と親御さんも本人も混乱するわけだ。

 

だが肝心なことに気がついていない。

「わかる」と「できる」は別もの。

 

別次元なのだ。

 

学校の授業ではそれなりにわかっていた。

その時期の定期テストでは点数は取れていた。

でも今では同じ範囲のテスト問題に対して、

思ったようには得点できない。

 

「何でそうなるの?」

 

こんなことが起きても別に不思議ではない。

理解したと思っても本質的な理解には、

まるで至っていない場合も考えられる。

 

あるいは、

理解しても「記憶」されていなければ、

わかったはずの知識もないに等しい。

 

あるいは、

知識が記憶されていても、

使い方がわからなければ得点はできない。

 

あるいは、

使い方がわかっていても、

制限時間以内に解けるスピードがなければ、

得点はできない。

 

ある学校のある学科の英語の先生が、

「超絶的にわかりやすい授業をする」

ということで生徒の間で大人気だった。

 

男の先生で私もよく知っている先生だが、

その先生の教え子の生徒ならば、

当然のごとく英語はできるとなるはずだが、

私が塾でチェックした時には英文法の知識が、

あらゆるところで欠落していた。

 

これはなぜか?

 

ズバリ言おう。

「わかる」が「できる」に変わるのは、

義務教育レベルの中学生の内容まで。

高校のレベルではそうはいかない。

 

特に、

高校レベルともなれば最高峰は、

東京大学や京都大学などの入試問題である。

 

「授業がわかる!」

 

この程度で解ける問題などではない。

もっと本質的な理解と、

十分な訓練が実現できている生徒しか、

得点はできない。

 

 

(続く)

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