塾長の考え

塾講師のやる気の源とは?(その11)

「総合問題」には構成上、

小論文が入っている場合がある。

小論文対策の肝は、

論理的構成をどうするかが50%。

残り50%は内容の良し悪しである。

 

ところがほとんどの受験生は、

小論文を書かせるとこの論理的構成がおかしい。

どの生徒もレベル的には作文か感想文。

これら2つは自由に書いていい文章だが、

小論文とはそういうものではない。

 

そもそも構成が悪ければ小論文は0点である。

この部分が各高校の小論対策において、

十分なされているところがほぼない。

なぜなのかは未だにわからない。

 

構成にはいくつかパターンがあるのだが、

受験生の知識の広さや深さによって、

選択できるバージョンと、

できないバージョンがあって、

この選択の仕方から指導しないいけない。

 

その前にさらに、

文章を読んで内容を把握する力、

すなわち「読解力」がないと話にならない。

この「読解力」は小学生の頃からの積み重ねが、

極めて大きいため、

中学受験の経験がない生徒の場合は、

特に苦戦することになる。

 

勉強は筋トレと似ていて、

やればすぐに効果が出てくるわけではない。

小6時に国語と算数をどれだけやっていたか。

これがとことん追いかけてくる。

大学受験時にまで。

 

以前うちのある講師が入塾してきた生徒に、

中学1年生の内容から指導しようとした。

その生徒は私立中の中学3年生だった。

 

「なぜ中1の内容から始めるの?」

「この生徒は中学受験合格で中高一貫校にいます」

「だから?」

「中学受験合格者は小学生の内容は大丈夫です」

「(テストして)調べたの?」

「いえ、調べていません」

「調べてみてよ」

「やる必要ないと思いますよ」

「とにかく1度調べてみてよ」

「意味ないと思いますけれど」

 

この先生は今はもういないのだが、

中高一貫校にいる生徒は小学生の内容は、

出来るに決まっているから、

やるなら中1の内容からだよねという、

先入観があった。

だから、

その生徒の「真実」を見つけられなかった。

結果的にその生徒は中途半端な指導となり、

成績は頭打ちになり途中で退塾してしまった。

痛恨の思い出である。

 

もちろん「真実」を見つけなくても、

地方の国公立大学の普通レベルの学科には、

合格する場合がある。

ハッピーエンドに一見思われる。

しかしながら、

しっかりと根本的治療(指導)をすれば、

難関大学に合格するところまで、

成績を伸ばせる場合があるのだ。

GMARCHや関関同立などと呼ばれる、

有名私大に合格していった生徒に、

実はそのケースが多い。

 

(続く)

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