塾長の考え

塾長の考え(国公立医学部医学科受験)11

HDちゃん(高3:医学部医学科志望)

 

記述(論述)試験レベルの英語の考え方、

それを教えるために個別指導を毎回実施。

 

どんな考え方で解答を出しているのか、

何をどう考えたら間違った解答になったのか。

1つひとつ本人に確認する作業をする。

 

本人の口から出てくるいろいろな言葉で、

どうやって問題を解いているか、

それを確認したら、

本人の思考回路を修正する。

 

やはり、

個別指導はすばらしいと実感。

 

スポーツの世界でも音楽の世界でも、

1人のプレーヤーのためにコーチがいる、

その環境がどれだけ恵まれているか。

生徒がある意味うらやましい(笑)。

 

さて、

HDちゃんに個別指導していると、

そこにHKくん(高3:文系)がやって来た。

 

「先生、英検受かりました!」

「え、そうなの?」

「はい」

「何級を受かったの?」

「2級です」

「あれ、スピーキング…受かったの?」

「はい」

「何で受かったの?」

「何でって…。学校で友達と練習しました」

「…、あ、そうだったんだ…」

「はい」

 

というわけで勝手に英検2級を受検して、

あっさりと合格していたようだ。

 

「指導…しなくても2級受かるんだね…」

 

ちょっと複雑な気分と頼もしい気持ちが、

私の中で交錯する。

「まあ、受かっているなら…いいけど」

 

塾内の第2学習室の中に入り、

塾生たちが学習している中を巡回する。

 

英語の映像授業を集中して受講していた、

FKちゃん(理系:高2)が、

ヘッドフォンを外して声をかけてきた。

 

「先生、英検受かりました!」

「え、受けていたの?」

「はい」

「言ってくれればいいのに…」

「あ、言ったほうが良かったですか?」

「いや…、受かっているからいいけど」

「はい」

「自学で受けたの?」

「はい」

「それで受かったの?」

「はい!」

「…、ところで何級を?」

「2級です」

「あ…、そうなの、それは…いいね」

「はい!」

 

あれ、英検2級って…、

簡単に受かるはずないんだけどな…。

どうなっているんだろうか?

 

「塾長、今いいですか?」

「あ、Hちゃん、英検の結果は?」

「え、もう発表されているんですか?」

「いや、他の人たちは報告してきてるよ!」

「あ~、知りませんでした」

「し、知らないの? 前回に引き続き!?」

「はい!」

「いや、『はい!』じゃなくて(笑)」

「はい(笑)」

「今わかるんだよね!?」

「え?」

「今、確認しようよ」

「今、ここでですか?」

「そうだよ、今ここでだよ!」

 

結局IDを覚えていなかったため、

合格しているかどうか不明のまま帰宅。

 

「準1級…合格しているといいけどな」

 

次の日の塾で。

「先生~、受かっていました、あはは」

「ヨッシャー(\(^_^)/)」

「はい!」

「で、お母さんは何て?」

「はい、踊っていました(笑)」

「お、踊っていた、ホントに!?」

「はい(笑)」

 

本当に受かっていてよかった、準1級。

攻略法は…正しかったのだ。

 

 

(続く)

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