塾長の考え(共通テストに向けて)⑤
前回も登場した予備校生のTくん。
前回までの話は以下の通り。
数学Ⅱの「三角関数」の訓練中。
予想点数「6点 / 15点」に対して、
1つ目が「10点」。
2つ目が「3点」。
だが、
彼の志望大学が要求する点数は、
実は「11点/15点」である。
(これには実は「算定法」がある)
で、その後どうなったか。
3つ目が「8点」。
※そこで学習し直す。
4つ目が「11点」。
ここで初めて合格点に到達。
だが、このとき問題が発生した。
この「三角関数」の問題。
これが単独で出題される年度もあれば、
「図形と方程式」と融合されて出題、
そういう年度もあるのだ。
Tくんは数学が大の苦手だったため、
その「図形と方程式」も勉強が「0」。
つまり、
他の分野の問題と融合されて、
「複合技」
を掛けられると容易に失点してしまう。
で、本人と話し合うことに。
「どうする、目標点は取ったけど?」
「『図形と方程式』を学習します!」
「…、やれるの?」
「やりますよ」
「OK、がんばって」
「はい!」
そしてTくんは「旅」に出た。
「図形と方程式」を習得して来ます、
そう言い残して…(笑)。
そして、数日が過ぎた。
Tくんが帰還してきた(笑)。
「行けるの?」
「行けます!」
そこから3連発でチェックした。
15点満点で9点を安定して取れるはずだが。
結果はいかに?
1度目「10点」。(通算5つ目のテスト)
2度目「12点」。(通算6つ目のテスト)
3度目「11点」。(通算7つ目のテスト)
「先生、やりました!」
「う~ん、よくがんばったね」
「はい」
「で、次は?」
「え~と、次は…ですね」
次の課題が何かをチェックシートで、
調べているTくん。
「次は『微分・積分』です」
「了解」
「やって、来ますっ!」
「お、おぉ、がんばって」
足取り軽く自席に向かったTくん。
浪人生という立場で出会ったが、
もしも、高校1年生の4月に、
出会っていたら、
「大の苦手です」
「全然勉強していません」
こんな風に数学に対しては、
なっていなかっただろうな…。
本人は社会(日本史)が大好きで、
そのきっかけはおじいちゃん。
役場で働いていたおじいちゃんは、
歴史関係のことでも博学で、
よくTくんにお話をしていたらしい。
その影響でTくんの才能が開花した。
(日本史は、8~9割の点数)
だから本人は、
「自分は文系(の人間)だ」
と思い込んで生きてきたのだが、
私の見立てでは、
「数学もできる」生徒である。
要するに、
「元々頭のいい生徒」と言える。




