塾長の考え

塾長の考え(2023 県立高校合格発表)

昨日宮崎県立高校の合格発表日だった。

本部以外の各教室の先生から、

「県立高校 100%合格」

「全員 合格してくれました」

と夕方に報告があった。

(ちょっと遅いけどねぇ)

各先生たちありがとう、感謝します。

 

ところで29年前のこの日。

私は塾長として初めての合格発表日、

そう県立高校合格発表日を迎えていた。

朝からずっと緊張して大変だった。

自分の受験のときよりもずっと大変。

比べることさえおかしいと思えるくらい、

緊張していた。

わが子たちではなくても、

わが生徒たちが合格するかどうかは、

冷静な状態で待てるものではなかった。

果たして、その結果は?

 

今でも昨日のように思い出せる。

県立高校普通科に行きたかった女の子2名。

商業高校に行きたかった女の子1名。

合計3名。

この子たちが不合格となった。

このときの辛さは今でも覚えている。

塾長としての責任を痛切に感じた。

自宅に帰ったときは涙が止まらなかった。

親御さんたちに申し訳なくて、

生徒たちに申し訳なくて、

本当に申し訳なくて。

 

「もう(塾を)やめたい!」

 

本気で発表当時の夜にそう思った。

他人さまの大切な子どもを1年間も、

県立高校に合格させてくれる塾だと、

期待させておきながら、

それなのに、このザマは何だ!

自分の未熟さのせいで塾生が3人も、

一生懸命に直前まで塾に、

合格したくて通ってきていたのに、

受験に失敗した!

 

あってはならないことが起きた。

大学出たての若造が始めた学習塾。

ただでさえ怪しい。

経験値の低さは言うまでもない。

この地区にある塾の中では、

ダントツに低い。

それを承知の上で預けてくれた、

親御さんたちのお子さんを落とした。

 

どのつら下げてご近所で買い物できる?

どのつら下げてご近所で外食できる?

できるわけがない…。

親御さんたちに合わせる顔がない。

 

合格した生徒は、

発表翌日には新聞に名前を掲載された。

発表当日はラジオで名前を読み上げられた。

自分の塾の生徒の名前が読み上げられては、

受験生の名簿に「〇」をつけ、

塾の教室内でガッツポーズをとり、

名前が呼ばれなかった生徒がいることに、

気が付けば愕然(がくぜん)とした。

塾内でその子たちと話したときの、

屈託のない笑顔が次々と頭に浮かぶ。

「無力とはこのことか!」

「何で救えなかったんだよっ!!」

自分を責めて髪をかきむしった。

 

あれから29年。

まだまだ物足りないとか、

もっとやってくれるはずだよねとか、

自分以外の講師には大いに期待するが、

もうすでに現時点であの時の自分よりも、

塾長だったあの時の自分よりも、

数段上の指導力があるんだなと、

今回思わされた。

 

素直に感謝したい。

どうもありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。

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