塾講師のやる気の源とは?(その4)
私(塾長)を説得したいAくん。
面接が500点満点中の300点を占める2次試験。
こんなおいしい話はないぞ、そう確信している様子だ。
ラクして大学に合格できるぜ!
そんな彼の心が透けて見えた。
「きみは以前おれといっしょに考えて志望学科を決めたよね?」
「はい、それはそうです、そうなんですけれど」
「そのいきなり浮上してきた●●学科で本当にきみはいいの?」
「もちろんいいです、親も両方とも納得しているんでっ!」
「…本当に?」
「はい、本当です、担任と三者面談があって決めたんでっ」
「いつ?」
「昨日です!」
「あ、そう、ところで…入試問題、見たの?」
「過去問すか、それは…見ていません」
「解けそうな問題かどうかも確認していないの?」
「していないっす…でも、今から見ます!」
「もしも解けそうにないくらい難しい問題だったら?」
「いや、まだ見ていないんでそこは何とも言えないです」
「きみの担任はその問題の程度まで考慮した上できみに提案したの?」
「いや、それは知らないっす、でも…」
「そんなに(担任は)きみの学力を把握しているの?」
「いや、それは、その…」
「まあ、いいよ。きみやお母さんたちで決めたなら」
「本当にいいっすか!あ~、良かったぁ…」
「後悔しないんだね!?」
「しませんっ!(きっぱり)」
「じゃあその問題がどんなに難しくても…」
「難しくても…、何ですか?」
「塾としてはきみが解けるように指導しなくてはいけないから」
「あ、はい。で、俺はどうすればいいですか?」
「まずは昨年の問題を解いてみなよ、国語と数学を」
「わかりました、今からすればいいですか?」
「おう、今からやればいいよ、時間を計って」
「了解っす!(敬礼!)」