塾長の考え

入試は勝負だ。(その5)

「塾長、もうすぐここでの勉強も終わると思うと胸が熱くなります」

 

「え、そうなの。(笑)」

 

「はい、塾長はそうではない(僕がいなくなってもかまわない)のですか?」

 

「俺?俺は何とも思わないよ、まだ勝負(入試)が終わっていないからね」

 

「あ、そうなんですか、そんなもんなんですか…」

 

「そうだよ、そんなもんだよ。それよりも早く次の問題をしないと」

 

「わっかりました~」

 

 

あと2週間で入試がやってくる。

 

負けるわけにはいかない。

 

 

思い起こせば4月。

 

今年の北斗塾予備校開始の時(4月12日時点)で航空大予備校は彼1人だけの在籍だった。

 

彼のまわりは皆が国公立大学や有名私立大学を目指して入学してきた生徒たちだ。

 

つまり北斗塾予備校の生徒たちだ。

 

 

K君は熊本大学を卒業して航空大学校を受験するわけだからある意味特別な存在だった。

 

他の生徒たちからすれば「航空大学校」というものがあるということすら知らなかったりする。

 

それでもK君という身近な大学卒の生徒が自分の夢に向かってチャレンジする姿。

 

それは彼ら予備校生にとっては参考になったはずだ。

 

 

性格もよく人当りも良いのでK君は予備校生の中でも気さくに年下の生徒と話が出来ていた。

 

だからこそ私は彼が大学時代まで野球をやっていたということもあって、

 

「K君がトップバッターだよ、今年の北斗塾の予備校のね!」

 

「おお~、そうなんですか!」(皆)

 

「だからK君がまずはきっちりと航空大に合格して皆にエネルギーを与えてくれないとね!」

 

「え、まじですか、塾長、それはプレッシャーですよ!」(K君)

 

「きみなら大丈夫。君に任せたよ、今年の予備校生みんなのためにも頑張って!(笑)」

 

「え~、まじっすか…じゃあ頑張らんといかんな~」(K君)

 

 

 

入試も迫ってきたが、同時にK君との別れも迫ってきた。

 

(続く)

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