入試は勝負だ。(その1)
K君に初めて会ったのは今年の春のこと。
「息子が航空大を受験することになったのでよろしくお願いします」
私の目の前に現れたのは熊本大学を今春に卒業予定の大学生。
そしてその生徒の両隣りには父親と母親。
1対3の面談だった。
「うちの子は文系なのですが、航空大は理系の子が受験するのですよね?」
「そうですね」
「ちょっと難しいでしょうか?」
「いえ、そうでもないですよ」
「え?そうなんですか、うちの子でも大丈夫でしょうか?」
「はい、おそらく」
「ああ、良かった。ではよろしくお願いします」
「こちらこそ」
簡単に記載してみたが実際のやり取りには計2時間くらいかかった面談。(笑)
そして瞬く間に時は過ぎていき、あっと言う間に航空大の入試の日がやってきた。
運命の日は7月21日(日)。
前日の7月20日(土)の夕方6時すぎ。
土曜日の指導も終わり、帰ろうとするK君。
そして友人のS君。
「明日は強気で行けよ」
「はい」
K君の人生をかけた勝負の日が明日となった。
今までの努力はこの日のためにある。
何カ月もかけた努力はたったこの1日で判断されるのだ。
(続く)