塾長の考え(自己採点)後編
模擬試験の自己採点。
これが正確かどうかは、
成績表が戻ってこないとわからない。
しかし、
好んでウソを書いたところで意味がない。
成績表は1ヵ月以内に戻ってくるのだから。
そこでウソはばれる。
この自己採点を使って、
詳細に学力を分析できるかどうかが重要。
ほとんどの高校生は自発的にこれをしない。
忙しいからという理由で。
それと、
中学生までの体験からテストに対しては、
点数(=結果)がわかればそれでいい。
「できたか」「できなかったか」
それがわかれば十分、
そういう取り組み方をしてきた生徒が多い。
私もそういう高校生の1人だった。
だから、
本当は偉そうに言えないところもあるが、
それでも言う。
なぜなら今は指導者だからだ。
有効なやり方を知っておきながら、
目の前にいる自分の塾の生徒に、
それを教えないわけにはいかない。
その大事なこととは「分析」である。
これは刑事で言うところの、
「現場検証」
に相当する。
よくテレビドラマで熱血な昭和のタイプの、
ベテラン刑事が、
「現場100回だ!」
などと言う場面にお目にかかるが、
まさしくそれ。
私は「100回」どころか「2回」くらいだが、
生徒の答案に目を通す。
その答案が雄弁に物語ってくるのだが、
それを読解していくことが、
「分析する」
ということにあたる。
これが非常に大変な作業だが、
大学受験生を指導するとなれば必須作業。
そういうことの積み重ねをしないと、
その生徒の「真実」がわからない。
これの最たるものが大学受験。
数学や化学や国語の結果を見て、
それから、
①該当する答案を見る。
(仮説を立てる)
②生徒に説明させる。
(仮説の検証を行う)
③生徒の学力を実感する。
④生徒のやるべき課題を特定する。
⑤生徒に「課題」を考えさせる。
⑥一致すればその実行計画を立案。
⑦一致していなければその理由を説明。
⑧生徒の意見を取り入れた計画立案。
以上が可能になる。
答案分析とは現場検証と同じ。
「事件は会議室で起こっているのではない」
「現場で起きているんだ」
わかる人にはわかる有名なセリフだが、
塾講師としての仕事になったとたんに、
「事件は会議室で起きている」
ことになっている講師がほとんどだが、
生徒の親御さんたちはそうは思っていない。
きちんと「現場検証」しているはずだ、
そう信じている。
わが子が通っている塾の先生はそうだと、
信じている。
保護者面談でよく話すあの塾長さんなら、
当然それをきちんとしてくれている。
そう信じている。
果たしてそうだろうか??
私はいろいろな事実を知っているが、
ほとんどそうではない。
実際は「期待」を裏切られている。
わが子の成績が上がらない理由はそれ。
(特に高校生の場合)
どんなに「いいこと」を言う塾長でも、
結果(=会議室)で分析していて、
答案(=現場)では分析していない。
そのやり方が楽だから。
(続く)