塾長の考え(予想問題)①
「予想問題までたどり着かないかも…」
何人かの親御さんにそう言うと、
誰もが一様に暗い表情をする。
わが子は「予想問題」をしてもらえない…のか。
そう思うと不安な気持ちになるようだ。
が、しかし、
「予想問題」とは何か?
それはタイトル名であり、
それ以上でもそれ以下でもない。
「予想問題」という言葉に、
ついつい踊らされるのが人間というもの。
人は気を付けていないと、
いろんなことにネガティブ(否定的)になる、
それがふつう。
本能的に人は楽観的であるよりも、
悲観的である方が落ち着く傾向がある。
わが子の受験が近づいてくると、
不安な気持ちになるのは親として当然のこと。
そんな心理状態を見透かしたかのように、
塾の先生が「予想問題をやるよ!」と、
生徒たちに宣言する。
それが「特別なもの」であるかのように。
本当のところは「特別」でもなんでもない。
書店に行けば、
「予想問題」と名がついているものが、
所狭しと並んでいる。
かなりの量だ。
よって、そこには、
「希少価値」は…ない。
誰もが手軽に手に入れることが可能なもので、
勝敗が決することは、まずない。
高校受験もそれが決め手にはなりえない。
大学受験もそれが決め手にはなりえない。
もしもなりえるのならば、
今までの学習や勉強の積み重ねよりも、
入試直前期に「予想問題」をすればいい。
そういう価値観が世の中に蔓延するはずだ。
だが、蔓延はしていない。
それが真実を語っている。
「予想問題」というネーミングに踊らされる。
それは「勉強」の本質でもなければ、
それは「指導」の本質でもない。
ところで、かくいう私も、
「予想問題をするよ」
と生徒たちに伝達する。
生徒たちはそれがやりたくてしょうがない。
なぜなら、
「予想問題」と名前がついているからだ。
ここで結論を言うと、
予想問題とは「学力確認問題」であり、
別にその問題がもっとも出る確率が高い、
そんなことはない。
業者(または大手予備校)が、
商業的利益の追求で「売れる時期」に、
ドンドン売ろうとしているだけのこと。
ちなみに、
本当にデータから追求して、
本番の入試に「出る確率が高い」問題とは、
書店に並ぶ類(たぐい)のものではない。
それは、
全国規模で実施される「模試」。
その方が受験者数を大幅に確保しているため、
宣伝効果はバツグン。
だから、
今年度に実施された模試をきちんと復習すること。
それがもっとも「効果的」なのだ。
結果とは、
「効率」ではなく「効果」で決まる。
(続く)