塾長の考え

塾講師のやる気の源とは?(その8)

黙々と問題を解いていくAくん。

中学受験の問題ではあるが、

「適性検査」の問題は簡単ではない。

大人でもそう簡単には解けるとは思えない。

ちょくちょくミスをする答案を見て、

Aくんの思考パターン(傾向)が、

はっきりと見えてきた。

 

そこがこの特訓のねらいだ。

 

大学入試問題でさえ傾向があり、

問題を全部見ることができれば見当がつく。

これは◆◆大学の入試問題だな、と。

 

宮崎県内の私立高校の入試問題を見ても、

私は「これは▲▲高校の入試問題ですね」、

などとは答えられない。

見てもわからない。

というか、見る必要がない。

なぜなら塾生が私立高校受験で落ちたことは、

1度もないから。

 

宮崎県内において、

私立高校受験合格100%(30年連続!)。

このような表現をしたら、

事情をよく知らない親御さんたちには、

「すごい塾ね、100%だって

と言われるかもしれない。

特に諸事情で都会から引っ越してきた、

宮崎の事情に疎い親御さんたちには。

 

しかし、

事実を良く知っている親御さんたちや、

他塾関係者ならどう思うだろうか?

「何でそんな(大したことない)ことを?」

(言っているのか)と思うだろう。

 

しかし、県立高校受験もそれに近い。

実際の本番はもう数日後に迫っているが、

本当に合格することが難しい学科は、

いくつかに限られており、

そこがダメでもスライドして、

一段下とみられる学科に合格する。

結局は不合格になりにくい仕組みだ。

 

そんな仕組みになっているのだから、

大学受験と違って不合格になる確率は、

相当に低い。

 

普通科高校それ自体の競争倍率も低い。

そもそも定員割れしている場合もある。

というか、

県立高校に合格しなさそうな学力の生徒は、

もうすでに私立高校に専願で合格している。

受かりそうな学力の生徒は県立高推薦入試で、

これまたもうすでに合格している。

 

「県立高校合格100%」と宣伝する塾は、

事実を言っているのだろうが、

あまり価値がないのになぜ言うのだろうか?

それはよくわかっていない親御さんたちに、

「価値がある」ように見られるから、

という目論見があるからだろう。

 

この一例を取ってみても私が言っている、

「情報大洪水の時代」

を私たちが生きている証拠となる。

 

「県立高校合格100%」

これをうたう塾を私は疑問に思っている。

必ずと言っていいほど、

「●●高校は無理だから■■高校を受験しろ」

「普通科高校ではなく、工業高校にしろ」

「商業高校ではなく、農業高校にしろ」

とか言っている事実が現在も過去にもあり、

塾生を説得して志望校を変更させている。

生徒本人にチャレンジさせず、

(県立高校ならどこでもいいとばかりに)

合格実績を作ることを目的にして、

「100%合格」を達成している。

 

その意図は何か?

 

本当に生徒のことを考えているなら、

長期的視野に立った指導をするべきだろう。

 

(続く)

 

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