塾長の考え

塾長の考え(宮崎西高校理数科)①

今から1ヵ月ほど前の話。

 

高1(現在高2)のKくんが、

珍しく質問を持ってきた。

Kくんは宮崎西高の理数科の生徒だ。

ほとんど指導をしなくても、

指示されたテキストや問題を、

高速で解いていく。

そして、

難しい問題であっても、

簡単には引き下がらない。

とことん考える、

自分自身が納得いくまで粘る。

宮崎西高理数科と言えば、

宮崎県でもトップレベルの学科だ。

ちなみに昨年度の東大合格者数は、

例年と比べると寂しいものだったが、

他の高校はもっと寂しい。

いや、厳しい結果だった。

いよいよ他県の優秀な生徒との対決に、

もっと本腰を入れた指導をしないと、

宮崎大学医学部医学科も危うい。

どういう意味で危ういかというと、

地元の優秀な生徒の合格者の割合が、

他県の優秀な生徒の受験によって、

どんどんと減っていくという意味で、

危ういと言っているのだ。

高1の4月から指導できれば、

理数科の生徒であればほぼ全員を、

宮崎大学医学部医学科に、

合格させることができる自信はあるが、

そのレベルの生徒が塾に来れば、

の仮定の話である。

もちろん理数科の生徒でなくても、

高1の4月から塾にいる生徒に関しては、

前提として本人が望むのならば、

宮崎大学医学部医学科に合格させたい。

また、実際に、

そのくらいの指導力と学習システム、

それがないと予備校はできない。

予備校生相手ならば、

たった1年間で結果を出さないといけない。

それと比べると、

高1生は3年間近く指導できる。

これは大きい。

「頭の良さは親の遺伝ですよ」

そういう話もまことしやかにあるが、

私はそうは思っていない。

正しい方法で継続的な努力を、

プロの指導で「方向性」を見誤らなければ、

3年後には合格できると信じている。

 

さて、Kくんの質問内容はと言うと、

その問題に対して、

解答するための方針が立たない、

ということであった。

質問のしかたから、

すでに頭の良さがにじみ出ているが、

それも(親御さんと本人の)努力の、

賜物であると私は信じている。

素質や才能よりもお母さんの育て方、

その影響の方が大きいと見ている。

それほどまでに母親の存在が、

わが子の可能性を高くも低くもする。

熱心に子育てをするお母さんと、

そこまで熱心でないお母さんと比べて、

わが子の成果に差が出ないようでは、

努力のしがいがないではないか。

さて再びだが、

Kくんの持ってきた問題は数学で、

滋賀医科大学の過去問だった。

その問題の解答・解説は、

すでに塾内のデータベースにあるので、

それをKくんに熟読させた。

その上で質問があるかどうか確認した。

それでもわからないという。

どうしても納得できないという。

私はその解説を見て、

どこがどのようにわからないのかを、

分析して教えなおす役目なのだが、

このときが一番楽しい時間である。

生徒の頭の中に入って探検する感覚が、

おもしろいのだ。

 

(続く)

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