塾長の考え(親子関係)4
わが子が将来大人になったときに、
社会人として所属する会社(組織)や、
グループに対して、
または個人事業や自由業を営むことで、
顧客に対して貢献できるようになる。
誰からも必要とされる人材になる。
つまり「人財」になる。
周りの人たちから感謝される。
そうなれば、
幸福の極みだと誰でも想像できる。
そのような大人に成長する。
そんなすばらしいわが子の未来を願わない、
奇特な親御さんがいるのだろうか?
これは「理想論」ではあるが、
決して「夢想論」ではない。
理想は夢として追い求めることが可能。
先ほどの話は不可能ではないと、
私は本気で考えている。
では、いったいどうすれば?
伸ばせばよい能力は大きく言えば2つである。
1.学力
2.人間関係能力
これらの能力を伸ばすのには実は方法がある。
一般的に有効な方法としては、
「2」に関しては部活動である。
理不尽な先輩、話が合わない同学年の仲間、
言うことを聞かないし挨拶もできない後輩。
いいのか悪いのかよくわからない部活の顧問。
こういう人たちとどう接していくか?
どういう人間関係を構築していくか?
それが修練の場であり、
人間関係能力を育むチャンスの場なのだ。
「部活と勉強とどちらが大事だ!?」
こう迫って来る塾講師や塾長もいるだろう。
正解は一択だと言わんばかりに…。
病院の先生(医師)であっても、
患者の気持ちをないがしろにして、
人そのものを見るのではなく、
PCの画面に映し出されるデータだけを見て、
診断する場合がある。
私は実の母親のときにこのことを、
自分の事として強く実感した。
逆に言うと、
その時までは医者の言うことは正解であり、
その通りにすることがいつでも最善だと、
生まれてから単純にずっと思っていた。
最近親知らずを抜いたときもそうだが、
相手が歯科医師の場合でも、
患者として口腔手術を受ける時は、
なすがままの状態であり、
全面的にお願いしなければならない、
自分の力では何もできない弱い立場だった。
だからこそ、
塾の塾長や教室長や講師などが、
「部活と受験とどちらが大事か?」
と凄んできたら…、
「受験(勉強)です…」
と屈するしか他にないかもしれないし、
お世話をしてもらう相手だからという、
弱い立場だから泣く泣く部活もしない。
そういう高校生になるかもしれない。
それが正しい指導なのか?
そうなったら、
その生徒は本来部活動で学ぶはずの、
人間関係の機微(きび)や絢(あや)、
そういった「大切なもの」を学ばないまま、
点数だけとれて大学に進学するのでは?
大学在学中はまだしも、
社会人になったときに、
組織やグループの中では活躍できない、
孤独な人材になるかもしれない。
それが親の望むわが子の将来?
勉強を最上位概念に持つ塾関係者は、
それがわかっていない。
そしてその人たちこそが、
人間関係で今でも悩んでいたりする。
(続く)