塾長の考え

塾長の考え(豊臣秀吉の名言)②

「一歩一歩、着実に積み重ねていけば、

 予想以上の結果が得られる」

(豊臣秀吉)

 

かつてある高校3年生の男の子が、

「今からは勉強しかないんで!」

といって7月の海の日の前日に、

入塾してきた。

 

野球部の活動が終わったので、

いよいよ勉強をしなくていい理由が、

なくなったから行動に出たようだ。

 

友人と2人で入塾してきたのだが、

2人とも真っ黒に日焼けしていて、

「さすがは高校球児だな…」

と思ったことを昨日のように思い出す。

 

さっそく実戦ということで、

昨年のセンター試験(当時:今は共通テスト)

の問題を試しに解いてもらった。

 

英語(筆記)、数学ⅠA、数学ⅡB、国語。

 

どれも半分に満たない。

「こうなるまでなぜ放っておいたのか?」

 

医者のようなセリフが浮かんできた。

当時はまったく意味がわからなかった。

 

「野球のプロを目指していたわけじゃないよね?」

 

そういう質問をしてみたくなったがこらえた。

 

「できないから塾に入ってきたのだよね?」

 

自分で自分に言い聞かせる。

 

なぜこんなに勉強ができなくなるまで、

何も手を打たずに部活動中心に生活するのか。

 

今なら答え(理由)は容易に想像できる。

 

2種類(の言い訳)があるのだが、

1つだけ述べてみる。

 

それは…、

「部活動が忙しいから」

 

拍子抜けするかもしれないが、これ。

 

部活動があるから…勉強に手が回らなくても、

しょうがない。

 

部活動があるから…課題ができなくても、

しょうがない。

 

部活動があるから…テストができなくても、

しょうがない。

 

部活動があるから…成績が悪くても、

しょうがない。

 

部活動があるから…、

部活動があるから…、

部活動があるから…。

 

こうやって現実逃避するのである。

 

逃げていることは本人が一番わかっている。

考えればつらいから考えないようにしている。

思考を停止している。

 

「部活が終わったら勉強頑張るから!」

(今はいいや)

 

と自分に言い聞かせて納得させる。

 

だから、

部活動が終わりいよいよその理由がなくなると、

 

「しょうがない、やるか!」

 

と、ここで初めて現実に向き合う。

勇気を出して現実に向き合う。

 

900点満点のセンター試験で300点後半。

このくらいしか取れていなくても、

今から必死にがんばれば、

「300点くらいあがるっしょ!」

 

こんなノリである。

50点上がるためにとてつもない努力がいるが、

今まで勉強をやってきていないので、

どの程度がんばればどうなるのかは、

まったくわかっていない。

 

「高校受験のときだって中3夏からがんばった!」

「結果、みごとに県立高校普通科に合格した!」

「大学受験もおなじように行くっしょ!」

 

これが今から頑張れば675点必要な大学を、

受験して受かるだろうという「根拠」だ。

 

この生徒は合格できずに終わり、

「北斗塾さんも大したことはないですね」

とその生徒のお母さんに言われたことが、

貴重な思い出である。

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