塾長の考え

塾長の考え(私大医学部受験)③

「宮崎大学の医学部受験には、

 詳しいですよね?」

 

「精通しているとお見受けします」

 

そんな言われ方は初めてだった。

 

「詳しい」とは何なのか。

「精通している」とは何なのか。

 

特に詳しいと思ったことはないし、

精通しているかと言われれば、

いったいどの程度が「精通」なのか、

よくわからないのが正直なところ。

でも、

問い合わせてくる親御さんたちには、

塾選びの「基準」があるようだ。

 

例えばわが子が小学生や中学生の場合。

学校の授業に十分についていけない。

学校の成績が上がってほしい。

この場合はご近所の学習塾。

 

[塾の先生との相性が合わない]

[学校のテストの成績が上がらない]

こうなれば別の塾に転塾する。

 

[レベルの高い学校の中学受験に合格]

[レベルの高い学校の高校受験に合格]

目標が明確であれば合格実績の多い塾。

なかなか結果が出なくても最後まで続ける。

最後には何とかなると信じて。

 

宮崎の場合は全国レベルと比べれば、

そこまでレベルが高いわけではないため、

高校受験まではこの考え方で通用する。

どこの学習塾に入ったところで、

そこの塾長や教室長に説得されて、

進路を調整された上で高校受験をする。

 

都会と真逆の傾向である、

成績の良い子は県立高校へ進学する、

という価値観で動くため、

「県立高校100%合格!」

というフレーズにこだわる学習塾が、

結果的にあちらこちらに出てくる。

 

また、中学受験に関しても、

「当学校に来ていただければ、

 私立中としての手厚い指導により、

 どこかの学習塾に通う必要もなく、

 経済的にもその分の負担がなく、

 メリットが多いです!」

などといったことを言う説明会を、

各私立中学校は保護者向けにするため、

それを真に受けた親御さんたちは、

安心して中学受験をする。

合格してしまえば塾はやめても大丈夫、

それならいいわね、と。

(後に他の生徒に知られないように、

 注意を払いながらどこかの塾に入る)

 

ここからが本題となる。

 

中学受験で上手く行ったり、

高校受験で上手く行ったりしても、

同じ方法は大学受験では一切通用しない。

このことがわかっていない親御さんが多い。

いや、正確に言うと、

もうすでに15歳となったわが子たちは、

親の言うことなど聞かない年齢なので、

今の自分の欲求に忠実に動こうとする。

親が注意しても忠告しても、

「合格したんだからいいだろ!」

「合格したんだからいいよね!」

という理屈で。

 

こうやって甘い考えで高校生活が始まり、

「これはまずい!」と気づくのが、

入学後4ヵ月目なら全治8ヵ月。

半年後なら全治1年2ヵ月。

1年後なら全治2年。

それ以降は危険水域。

(入学時における)

第1志望の合格可能性は1パーセント!

※データによる。

 

上記の「治療期間」も、

腕のいい学習塾に出会えた時の見込み。

どこの塾でもいいというわけではない。

 

 

(続く)

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