塾長の考え

塾長の考え(中2のDちゃんの挑戦)②

「もしも…の話だけど」

「はい」

「その毎回成績が1番のMちゃんに…」

「は…い…」

「Dちゃんが次回のテストの成績で…」

「はい…」

「上回るようなことが起きたら…」

「え…」

 

 

「何がどうなるかな?」

 

 

「え~、そんなこと…」

「もしも、の話だけどね」

「はい…『もしも』ですよね」

「そのMちゃんはさぁ…」

「はい」

「みんなの中できっと有名だよね」

「もちろんです!」

 

Dちゃんが明るい顔で話す。

 

「いっつもMちゃんがトップです」

「そうだよね」

「めっちゃ頭が良くて」

「そうなんだ」

「誰も勝てません(笑)」

 

けっこう楽しそうに話す。

 

「それでさぁ…」

「はい…」

「その子に次回のテストの点数で勝ったら…」

「…はい」

「世界が変わるかな?」

 

その瞬間スッと時間が止まった。

 

「変わりますっ!」

 

「変わるよね?」

「変わります!」

「変わるよね??」

「変わります!!」

 

私はDちゃんの目の奥に、

力がみなぎっていく様子を感じた。

 

「じゃあ『世界』を変えよう!」

 

 

「はいっ!」

 

 

うわぁ~、どうしよう。

 

どうすればいいかなぁ。

 

できるかな…。

 

でも、やってみたいなぁ。

 

 

Dちゃんの表情から、

そんな心の動きが見て取れた。

 

 

自分(世界)を変える。

 

 

塾に来る生徒はだれであっても、

 

どんな成績の生徒であっても、

 

 

本来は、

 

そういう意気込みで来ることが、

 

望ましい。

 

 

そして塾とは、

 

そういう化学変化を、

 

塾生に起こす「場」であるべきだ。

 

 

私はそう思っている。

 

それが、

 

「塾」だ。

 

 

(続く)

 

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