塾長の考え(中学生の指導)後編
「先生、これです」
「これは…」
「(*^^*)」
渡された成績表を開き、
中を見た。
で、ボケてみる。
「どこ見るの?」
「ええっ、その下の方です!」
「あ~、ココね」
ボケたのか、ガチなのか。
Sくんにはわからなかったはず。
まだ「北斗塾」の文化には、
慣れていないだろうから。(笑)
「学年3番ってこと!?」
「そうですっ(笑)」
「すごいね~」
「はい(笑)」
「お母さん喜んでいたでしょ」
「はい(笑)」
「これって、過去最高?」
「はい、そうです!」
2ヵ月前に復塾して、
学年3位の成績をたたき出す。
これは明らかにSくんに、
そういう資質があるということ。
「塾の『指導方法』がいい」
という理由ではなさそうだ。
少し日にちを置いて聞いてみた。
「お母さんが喜んでいるのは、
いいんだけど…」
「はい」
「お父さんは何て言っているの?」
「『まだまだだな』って言っていました」
「『まだまだ』?」
「はい、『まだまだだ』って…」
「『1番じゃないよね』みたいな?」
「たぶん…そうだと思います」
「へ~~~」
じっとSくんの顔を見てみると、
もっと頑張りたいという表情。
「1番の子は何点くらいなの?」
「え~、たぶん、493点とか…」
「493点! やるね~、その子」
「495点かもしれません」
「いや、もういいけど(苦笑)」
要するに学年トップの生徒は、
490点台を取り切る「本物」の生徒。
私の見立てでは「475~485点」、
このあたりが実力ある学年トップ。
それを上回る生徒だ。
かなりすごい素質を持った生徒が、
同学年にいるということになる。
「あのね、俺の予定ではね…」
「はい」
「今からずっとがんばっても…」
「はい」
「来年の夏期講習以降のテストで…」
「はい」
「学年トップになるかな…と」
「そうですか!」
「そのくらい時間がいるよ」
「…」
「まあ、途中に実力テストがあるから…」
「…」
「そこで『一発入る』かもだけど」
「先生っ!」
「何?」
「来月(1月)に実力テストがあります」
「だから?」
「…」
「そこで『やってやろう』みたいな?」
「はい」
「う~ん、それはどうかな…」
「…」
「やってみたいの?」
「はいっ!」
こんなにやる気がある子だったとは。
こういう生徒でも前の塾、〇〇〇で、
1年半はくすぶっていたというのか?
今までの成績は「仮の姿」か?
「わかった、俺の想像を超えてみてよ」
「はい、わかりました!」
その後、
懸命にテキストの問題を解く。
Sくんの自立した、
(真の)挑戦が始まったようだ。




